まえがき
こんにちは! 本荘と申します。
今回はBlender アドベントカレンダーの2日目を担当させていただきます。
よろしくお願いします。
私が行うのは3DCG初心者向けチュートリアルということで、ターゲットは
・Blender を知っている。インストールはしてみた。
・実際にいじったことはあんまりない
・3DCGやってみたい!
といった方向けに書いてみようかなと思います。
あまりBlenderの使い方自体を詳しく伝えるわけではないので、他の方が丁寧に解説してくださっているチュートリアルサイトと併用するのがおすすめです。
Blenderの特徴として、ショートカットキーが豊富です。[ ]でくくっているのはショートカットキーなので、覚えると便利です。
何を作るのか
「パックマンシリーズ」でおなじみ、ゴーストちゃんを作っていこうかと思います。
元がドット絵なので、比較的シンプルな形をしているのと、2Dキャラクタを3Dに起こしていく感覚を知れるかなと思ってこのキャラにしました。
下絵の設定
軽く下絵を描いてみます。
この画像は下絵として使う際にご自由にダウンロードください。これからこの絵を参考にモデリングしていきます。
Blenderを起動します。Blenderのバージョンは最新安定版の2.79bです。
これから親の顔より見ることになる四角形です。よく見ておいてください。
Blenderには下絵を表示できる機能があります。右のプロパティシェルフに「下絵」タブがあるので、画像を開いて表示してみてください。
[N]:プロパティシェルフの表示・非表示
[T]:ツールシェルフの表示・非表示
しかし、透視投影モードの3Dビューでは下絵は表示されません。描画モードを平行投影にし、フロントビューやサイドビューに変更することで下絵が表示されます。視点変更はテンキーを表示します。テンキーがない人はヨドバシ行ってテンキーを買ってきてください(笑)。(テンキーがない人向けにキーボードの数字キーで視点変更できる設定もあります。詳しくはググってみてください。)
テンキー操作
[5]:平行投影・透視投影を切り替え
[1]:フロントビュー
[3]:サイドビュー
[7]:トップビュー
これで見えるようになります。下絵の設定欄で画像を移動できます。四角形の中央に行くように移動させましょう。
下絵は見える視点を限定することができます。それを使ってフロントビューとサイドビューに1枚ずつ設定していきます。
フロントビューとサイドビューに設定ができたでしょうか。それでは、いよいよモデリングを始めます。
モデリング
3Dビューがオブジェクトモードになっているのを確認してから、箱を削除します。これからゴーストをモデリングするので、視覚から始めるのはちょっと難しいです。球体が欲しいところです。
[X]:削除
新規オブジェクト作成から、「sphere」を探し当てます。
[Shift + A]:新規オブジェクト作成
いいですね。上半分がピッタリ合いそうです。拡大縮小と移動で下絵に合わせていきます。
[G]:移動
[S]:拡大縮小
なんとなく合わせたら、下半分を削除します。3Dビューを編集モードに変更し、下半分を選択します。
[Tab]:オブジェクトモード・編集モード切り替え
[Ctrl + Tab]:頂点選択・辺選択・面選択切り替え
[Z]:ソリッドモデル・ワイヤーフレームモデル切り替え
ワイヤーフレームモデルだと、奥の面もまとめて選択できるので便利です。
削除できましたか? これからは正面と横からの視点で形を合わせつつ、パースビューで全体のバランスを確認していくという作業になります。3DCGで視点をぐるぐる回してモデルを確認するのはとても重要なので、方法を確認しておくといいです。画面の数を増やす方法もよければググってみてください。
[マウス中ボタン]:視点ぐるぐる回す
それでは下部分を作っていきます。辺選択で一番下の辺をすべて選択してから、押し出しと拡大縮小で広げていきます。辺選択はループ選択が便利です。
[E]:押し出し
[Alt + 右クリック]:ループ選択
ここまできたらほとんど完成みたいなもんです。あとはゴーストっぽくヒラヒラした足を作りたいです。
この方法はいくつかありますが、僕はプロポーショナル編集を有効化してウネウネさせました。下絵とは全然合ってませんが、まあ、下絵ってあくまで目安くらいに考えてます。
パースビューで確認しながら、押し出しと拡大縮小を利用して内側を作っていきます。見ちゃいけないものを見てるような気がしてワクワクします。
こんな感じにしました。裏は見られない前提で作るので、穴は塞がなくてもいいです。
このままだとポリゴン感が強いので、オブジェクトモードからツールシェルフの「スムーズ」をクリックすると、ポリゴンの境界が曖昧になります。
これでだいぶゴーストっぽくなってきました。
次は目を作っていきます。いい感じの丸い部分を流用したいなぁと思いながらモデルを見回します。頭頂部がいい感じなのでこれを複製します。
[Shift + D]:選択したオブジェクトの複製
複製した目を回転させながら、ボディに合わせていきます。
[R]:回転
なんとなく合ってきたら、辺を押し出してボディに埋め込みます。
この目をさらに複製して二つにします。もう完全にゴーストです。次にテクスチャを貼っていきます。
テクスチャマッピング
テクスチャマッピング、苦手です。テクスチャで綺麗に仕上げて、ポリゴン数抑えました〜みたいなことできるモデラーさん尊敬します。
まずはUV展開するためにシームで切れ目を入れていきます。UV展開は3Dのポリゴンを2D画像としてしまうので、このままだといびつに張り付いてしまいます。なのでシームを使用してある程度展開しやすくしてあげます。
[Ctrl + E]:シームをつける
僕は一刀両断しました。ボディはこんなもんでいいです。
目にもつけます。
全選択してから、UV展開します。
[A]:全選択
[U]:UV展開
UV展開すると、UV/画像エディターにこんなもんが表示されています。
実はUVエディター上でも移動・拡大縮小・回転の操作が可能です。動かして見やすいUVにしましょう。
こんな感じになりました。これをUVの配置画像としてエクスポートし、PNG画像にします。
UV/画像エディタのメニューから、「UV」->「UV配置をエクスポート」を選択します。
適当に画像に名前をつければPNG画像が生成されます。
それをもとに、今度はペイントソフトやデザインソフトで色をつけます。僕はイラレでやっています。
こうなりました。大雑把ですがこんなもんで色がつきます。
ここから少し設定をします。
オブジェクトモードでプロパティパネルのマテリアルをクリックします。丸いアイコンです。
そこで「新規」をクリックします。
今は新規作成されたマテリアルはいじらず、すかさずテクスチャに移動します。
ここでも「新規」をクリックします。
テクスチャは設定をいじります。
タイプを「画像または動画」にします。
画像タブから先ほど作成したテクスチャファイルを読み込みます。
さらに、UV/画像エディタでもテクスチャファイルを読み込みます。こうすることで、少しずれた箇所などの修正をUVエディタ上で行えます。
モデルがどうなっているか気になってきました。確認する前に、ちょっと設定します。
プロパティのワールドをクリックし、「アンビエントオクルージョン」のチェックボックスをいれます。
そして3Dビューのシェーディングタブを、レンダーに変更します。
すると……。
レンダリング
無事にテクスチャが正しく貼られました。次はこれをカメラに写します。
[0]:カメラビュー
この枠に収まるようにカメラを移動させます。プロパティシェルフの「カメラをビューにロック」にチェックを入れれば、これまでと同じ視点操作でカメラを動かすことができます。
ゴーストだけでは寂しいので、床としてPlaneを置きました。
そしていいところでレンダリングします。プロパティのカメラの中にある「レンダー」をクリックすれば、画像ができます。
これで完成です! お疲れ様でした。
あとがき
はじめてのアドベントカレンダー参加です。普段は大学で、主にゲームデザインを勉強しているのですが、ゲーム開発する中でBlenderも多く触っており、もっとBlenderの輪が広がってほしいなあという思いもあり、参加させていただきました。Blender、今非常に盛り上がっておりますね。最近2.8betaも公開され、安定版の登場が待ち遠しい限りです。
私は今回はアドベントカレンダー2日目でした! 以降もどんどん面白い記事が出ると思いますので、私の記事が面白くなくても見るのやめないでください(笑)。
Blender アドベントカレンダー 3日目は km_boo さんの「Blender ver.2.8 ベータ(12/01)版 【Bボーン】【OpenGL レンダリング】ver.2.79 との違い」になります。
Blender ver.2.8 ベータ(12/01)版 【Bボーン】【OpenGL レンダリング】ver.2.79 との違い
それでは、ありがとうございました!